英語発音の向上に超効果的な国際発音記号(IPA)の学習について

”IPA”という言葉を聞いたことはありますか?

僕はクラフトビールの大ファンなので
脳は即座に

「Indian Pale Ale!!」

と反応しますが、もちろん違います笑

これ、日本語でいうところの
「国際発音記号」です。

“International Phonetic Alphabet”
の頭文字をとったもの。

あの、辞書を引くと出てくる、
”e”が上下にひっくり返っていたり、
aとeが融合したみたいなのが、IPAです。
apple / ˈæpl /
こういうのですね。

辞書に毎度出てくるということは
とても重要な情報なのでしょうが、
僕はフィリピン留学で学習するまでは知りませんでした。

そしてこのIPAの学習を通して、
英語の発音が飛躍的に向上します。

IPAは「ひらがな」

留学をしている時に出会った韓国人の友達との会話の際、
どういう文脈かは忘れましたが、

“destroy”

という単語を言った時。
「ん?」と首を傾げ、聞き取れなかった様子。

その後何度も発音しますが、
「ごめん、その単語、知らない。」と。
しかし、その後の話の流れで
僕の言いたかったことが理解できたらしく、

「あー!”destroy”ね!
 最初の音は”デ”じゃなくて”ディ”だよ」

マジで・・・・・・?
僕25年間ずっとデストロイだと
思ってたんだが。。。

そして辞書を引いてみる。
本当だ・・・

/dɪstrˈɔɪ/

になってる。。

既に知っている単語でも、発音できていると思っている単語でも、
「これはちゃんと調べ直さないといけないな」
と気付いた瞬間でした。

日本語のひらがなとの役割は違うけど、「読み方を示す」点は同じ

フィリピン留学中に受けたIPAのレッスン

このIPAは、かなりざっくり言うと、

”読み方としてのひらがな”

のようなものです。
漢字についているふりがなの方が近いかな。

英語という言語は、ご存知の通り
アルファベットの組み合わせです。

重要なことは、このアルファベットは

「音を示す役割はもたない」という点。

連続するアルファベットが単語となり、
その語が持つ意味を指し示すだけです。
逆に言えば、

このIPAを読めなければ、初見の単語を
どうやって正しく発音するかがわからないのです。

百姓読みする学習者

日本語に「百姓読み」という言葉があります。
これは、似ている漢字や偏から推測して
「たぶんこう読むんだろうな」
と当てずっぽうで読むこと。

たとえば
「御用達」→「ごようたつ」
「直截」→「ちょくさい」
「反故」→「はんこ」
「出納」→「しゅつのう」
といった具合に。

つまるところ、非常に多くの学習者が
英語に対してこの「百姓読み」をしています。
上記した僕のデストロイの例がまさにそれですね。

「伝わるからいいや」
と思ってこのカタカナ英語を繰り返していると、確実に壁にぶち当たります。

特に、仮にフィリピンへ留学している、または
これから向かうのだとしたら、危険です。

フィリピンの先生は日本人だけでなく、
様々な国籍の英語に慣れています。
だから発音が大きく異なっていたとしても、
なんとか汲み取ってくれます。

しかし、
実際のネイティブスピーカーはどうでしょうか?

このネイティブとノンネイティブの間にある、
高い高い壁を思い知ったのは、
カナダで仕事を始めてからです。

具体的な学習方法

じゃあ具体的にどうやって習得するのか、
という部分ですが、一番重要なのは

「トレーナーが必要」

ということ。

発音矯正にネイティブの存在は必須です。
完全なバイリンガルではない限り、
どんなに流暢な人でも、
第二言語として英語を扱っている人は、
好ましくないです。

そしてこのIPAは少し専門性が高いので、

副業や趣味半分で英語を教えている人からは
教わらないほうがいいと思います。

ちゃんとそれを本業とするトレーナーと
二人三脚で取り組むのがベスト。

熟達したトレーナーは誤った発音に敏感で
間違いにすぐに気付いてくれますし
具体的に口や舌や喉のどの部分を
どう動かすと正しい発音ができるかを
理論的に教えることができます。

そしてなるべく発音に厳しい鬼のような先生の方がいいです笑
僕もフィリピンで泣きそうになりながら特訓しましたが、
今となっては本当にやっておいてよかったなと。

IPAは発音の向上には必須だが、発音のすべてをカバーすることはできない

これに真剣に取り組むと間違いなく
発音はよくなりますが
”流暢さ”を伸ばすには
さらに別の要素が必要です。

それがLiaison(リエゾン)。

リエゾンとは、言葉と言葉のつながりのこと。

英語ネイティブの発音を聞くと、
言葉と言葉毎に区切ることなく、
流れるように発音していますね。

これはネイティブが気付かないうちにやっている発音で、
前の語の終わりと次の語をつなげているのです。

「チェケラッチョ!」
「プチョヘンザ!」

みたいなやつ。あれは、

”Check it out yo!”
”Put your hands up!”

の音が繋がり、
「チェケラッチョ」
「プチョヘンザ」
に聞こえると。

「チェック・イット・アウト」
「プット・ユア・ハンズ・アップ」

とは誰も発音しませんね。
(ちなみに、逆に一語一語はっきり、
ゆっくり読む場合は”Word by word”といいます)

ちなみにm-floのVERVALがラップの合間によく言う
「ユナームセーン」
みたいに聞こえるのは実は
“You know what I’m saying?”
がリエゾンしてそう聞こえています。

何を以てして「ペラペラなのか」

まとめると、”流暢さ”たらしめているのは、

  • 単語ひとつひとつの基本的な発音
  • リエゾンによる文章単位での音の結合

のふたつが主な要素となり、もっと言うと

「思考をすぐに言語化するスピード」

が大きく関係しています。

考えたことをすぐに英文化する能力に関してはも
ちろん長い練習が必要ですし
書き始めると長くなるので
別の機会で触れていきます。

最初は違う言語を勉強してるみたいな感じがするし
身になっているのか実感しにくいものですが
絶対に効果があるのでじっくり取り組んでみてください。
教材を使用した実際的なトレーニングの
内容についても、今後もっと深く書いていく
つもりですので、よければまた見にきてください。