英文を読んでいるとき、こんな問題に直面していませんか?
「読むのに時間がかかる」
「意味がスッと頭に入ってこない」
「TOEICのReadingパートで高得点が取れない」
また、英語を話す際にも
「カタカナ英語を卒業できない」
「なかなか発音がよくならない」
「どうやって発音の矯正をしたらいいの?」
という方も、リーディングの学習を極めることで、英文読解力だけでなく、発音の矯正もできます。
しかもやり込めばやり込むほど、TOEICのリーディングもあっという間に攻略できるようになります。
あくまで参考までに、という程度ですが、2016年1月、人生最初に受験したTOEICの成績は
375点 (要するに英語力ほぼゼロ)
でしたが、約半年のフィリピン留学の後半2ヶ月くらいを、これから書いていく勉強法に充てたら、
帰国後780点まで上がりました。
先日公開したフィリピン留学中にやるべき3つのこと
という記事でも書いた通り、留学中に先生と一緒に取り組むとさらに効果のある学習法です。
ひとつひとつの手順を画像付きで解説していきます。
それではひとつずつ見ていきましょう。
目次
教材は自分で選ぼう
初見の教材は効率が悪い
もしもオンライン英会話を受講していたり、セブ留学などで、先生の持ってくる教材を当日に読んだりしている場合。
レッスンの中で初見の教材に取り組むのは効率が落ちるのでやめましょう。
もしもニュースなどの文書を扱う場合、事前にURLをもらうか、コピーをとるなどしましょう。
そうすれば事前に単語の意味や発音を調べることができます。
オンライン英会話の場合
では、オンライン英会話で自分の教材を使いたい場合はどうするかというと、
使っているプラットフォームに写真を撮って送ればOKです。
特にオンラインでは毎回先生が変わってしまうこともよくあるので、都度パシャっと撮ってチャットウィンドウにドロップするのが一番楽です。
参考書本体に書き込むべきか?
購入した参考書に直接書き込むか否か、は議論が分かれますが、個人的には”解説パートに書き込むのはOK”です。
例えばTOEICの参考書とかだと、問題のパートの次のページに解説が載っていることが多いです。
ここで問題の部分に答えを書いてしまうと周回できなくなってしまうので、その場は一時的に別のノートに回答して、結果は解説ページに書き込むのがおすすめ。
この際、年月日を忘れずに書き入れましょう。
最適解はiPad+Apple Pencil
前に書いたiPad + Apple Pencilでペーパーレス化計画という記事で紹介したこの組み合わせ、一番最強です。
なぜかというと:
- テキストに直接書き込める
- 周回の際は原本のデータをコピー
- 英文の細い隙間も拡大して書き込める
- オンラインでもオフラインでもデータを先生と一瞬で共有できる
と、全く弱点がないからです。
さらに、データも即時クラウドに保存されるので物理ノート・テキストと違い、重い思いをすることが一切なく、また紙媒体にありがちな欠損や紛失もありません。
さらにさらに、スマホに同アプリをインストールすればいつでも携帯からもチェックできるので、ベッドでごろごろしながらでも、ご飯を食べながらでも復習できます。
今ではiPad Proだけでなく普通のiPadでもApple Pencilが使用できるので、上記メリットを考えると十分に購入を検討する価値があります。
教材選びのポイント
好きになれる教材が一番
これはどの参考書でも一緒ですが、何種類も手を出すのではなく、
好きになった一冊の内容を完全に把握するまでやり込みましょう。浮気厳禁!
周回するのが、意外にも一番学習効率が高いんです。
リーディングの書籍の選び方のポイントは
- 音声付き
- 日本語訳付き
- 注釈&解説付き
だと理想的です。
この辺の教材選びのことは留学なしで言語の習得はできるのか?という記事で細かく解説してあるので、参考にしてみてください。
おすすめ書籍
この記事では上記3つの条件を完璧に押さえていて、しかも充実した解説のあるこの一冊で説明を進めていきます。
一番いいのは、とにかく堅っ苦しくなくて、出てくる講師のヒロ前田さんと、登場する3人ともキャラが立っていて読みやすいこと。
ストーリーが付随すると一気に記憶しやすくなりますね。
具体的な取り組み方13ステップ
今回はこの文書をサンプルとして読んでいきましょう。
– 読解力 向上パート –
1. 知らない単語にマーカーを引く
この時、いちいちページを往復すると時間のロスになってしまうので
見つけたらマーカー → 次の知らない単語を探す
という具合に同じ作業をして、意味はあとでまとめて書き込みます。
文書のあとに載っている訳の中から、マーカーを引いた語の意味を探し、書き込んでいきます。
ここで見つからない場合は電子辞書等を使い探してみましょう。
意味を書き込む時、必ず品詞がわかるように書き込みましょう。
自分だけがわかる略式記号で大丈夫です。
僕の場合は 品詞:(n) / 形容詞:(adj) / 連語:(col) みたいな感じで、素早く書き込めるように工夫しています。
2. 全体を読んでみる
知らない単語・表現を潰したら、早速読んでみます。この時点で音読等は特にしなくてOK。
理解することに重点を起き、読み進めます。
ちなみに、翻訳して文章におこす、などは時間がかかりすぎるので、やめたほうがいいです。
3. 訳を読んで、内容を理解する
全部読み終わったら、実際に訳を読んで、自分がイメージした内容とどの部分が違ったか把握します。
4. 工程3でわかった、間違えて訳していた部分や、知らない文法用法などを書き足す
ここではわかりやすくするためにピンクマーカーに色を変えていますが、ぶっちゃけ自分がわかればなんでもOKです。
ここまでが読解力向上パートです。
リーディングのみに注力する場合はこの工程を他の文書でも繰り返すだけで読解力はかなり上がります。
重要なこととして、一回やって満足するのではなく、翌日に必ず復習し、またさらに1ヶ月以内に同じ内容を復習してください。
– 発音 向上パート –
5. 音声を聴きながらシャドーイング
内容がしっかり頭に入ったところで、今度は”違う色のマーカーを持って”シャドーイングをします。
シャドーイングとは、音声のすぐ後に自分でも発音してみること。
※もし自習室やカフェ、電車の中などで声を出せない場合は、口を動かすだけでも効果があります。
6. うまくシャドーイングできなかったもの(発音の知らない語、苦手な音)にマーカーを引く
知っている単語でも自分の認識と違う音の場合も、矯正する必要があるので、要チェック。
画像ではわかりやすくするため緑のマーカーで線を引きましたが、もし違う色のマーカーがない、または後に消す可能性がある場合は、シャーペンで下線を引くだけでもいいです。
7. 工程6で引いたマーカーのIPA(国際発音記号)を、まとめて調べる
僕の場合は、iPhoneにこのアプリをダウンロードして電子辞書の代わりに使っています。
そして下の画像、赤枠の中のIPAを書き写します。
水色の丸で囲ったところをタップすると発音してくれるのですが、アメリカンアクセントとブリティッシュアクセント、聴き比べてみると結構違う語もあって勉強になります。
この時、アメリカのアクセントかイギリスのアクセントか、自分の目指す方を書き込みましょう。
とくにこだわりがなければ、左側のUSの方でいいかと思います。
IPAを書き込む際は、画像の様に”/”で囲みます。
8. リエゾン(語と語の音の繋がり)を書き込んでいく
リエゾンはわかりやすく言えば”It is”が「イティズ」に聞こえるときのように、語の終わりの子音と次の語の始まりの音が繋がって聞こえるものです。
”Check it out yo”が「チェケラッチョ」になるのもリエゾンです。
この音が繋がる部分を、音声をゆっくり聞きながら書き込んでいきます。
僕はこれをリエゾン記号と勝手に名づけているのですが、意識して読むことで一気に英語話者っぽく喋れるようになります。
9. 音声の切れるところに”/”を書き込んでいく
よく「文節の切れ目に”/”を入れると効果的」と言われますが、ここではスピーキングに注力するため、音声を聴きながら話者が一時停止するタイミングで書き入れます。
※工程8とは別々に行いましょう。
※順番は工程8と逆になっても問題ありません。
10. 発音に注意しながら、もう一度シャドーイング
IPAと”/”を書き込んで読み方・リズムを理解したところで、もう一度通してシャドーイングをしてみましょう。
ここではきちんと練習したいので、2〜3秒単位で巻き戻しができたり、再生速度を変えることのできるアプリを駆使して、徹底的に繰り返します。
– – – – – – – – – – – – –
ここまでが授業前の自習です。
最初はやはり時間がかかりますが、慣れたらサクサクできるようになります。
【ポイント】
ここまでの工程は、スマホのストップウォッチ等を活用して時間を測りながら行うようにしてください。
最初は慣れていない上、知らない単語・表現ばかりですが、徐々に知識を蓄えコツを押さえると、グッと早くなります。
各文書によって長さが違うので、一概に目安になるとは言えませんが、体感がかなり変化するのを実感するためにも、かかった時間を日付と共に記録しておくことはとても重要です。
さて、留学中で毎日レッスンがある方は、朝の時間などを活用してルーティーン化し、この流れを毎朝必ず行うようにしてください。
朝にやることで、脳が英語モードに切り替わるし、復習もできて記憶層への定着も早まり、さらにシャドーイングをすることで英語を喋る時の口の筋肉の準備運動になります。
レッスンを始める前の完璧な工程です。
ここから先は、さらに発音向上に特化したい人向けのプロセスになります。
余力のある人、発音がなかなか良くならず困っている人は参考にしてみてください。
– さらに発音向上に特化したい人向け –
11. 自分のリーディング(発音)を録音する
8で完成した自分専用の素材を50回くらい繰り返すと、流れ、リズムや内容がほとんど完璧に頭に入ります。
ここまでやったら、実際にボイスレコーダーを使って録音してみましょう。
文章だけ読んでもいいですし、シャドーイングする時の音声を録音してもOKです。
12. 過程9の録音を聴きながら、原音と違うところをチェックして丸をつける
恥ずかしい気持ちはわかりますが、心を鬼にして捨て去りましょうw
何回も聞いた音源と、自分の音声を聴き比べて
「あ、ここ違うな。できてない」
と思う語を丸で囲っていきます。
13. 過程12で見つけた苦手な発音をレッスンで先生に直してもらう
誰しも苦手な発音があります。一つ前の過程で把握した苦手なポイントを重点的に攻めていきましょう。
しかし、一人で克服しようとすると間違った癖がつく可能性があるので、必ず発音の上手な先生に矯正してもらうようにしてください。
闇雲に練習するだけではなく、口の開き方、舌の位置・動かし方まで理論的に教わることがベストです。
これが全ての工程です。
今回は総合学習教材のTOEICを例に出しましたが、慣れてきたらもっと難易度の高いTEDや、ニュースに挑戦してみるのも有効です。
いずれもスクリプトがネットに転がっているはずなので、準備しやすいかと思います。
まとめ
”リーディング”と聞くと
「読むだけでしょ?なんかつまんなそうだな・・・」
と感じる人も多いと思います。
しかしこのリーディング、ちゃんとした教材を使って髄までしゃぶり尽くす勢いで取り組むと、かなり大きなリターンがあります。
音声教材まで使えば、発音の向上に加え、苦手な発音の発見にも役立ちます。
実は他にも類義語や対義語を書き込む、品詞をメモするなど、本格的にやり込もうと思ったらキリがないのです。
それくらいリーディングの教材というのはインプット要素において無限の可能性を秘めています。
つまり、逆に言えば
ここでインプットした情報をライティングやスピーキングなどでアウトプットしないと、英語表現の向上は見込めません。
「自分の目指す英語力はどの位置にあるのか?」
これを常に考え、優先事項を選定し、手段を決め、あとはひたすら勉強。
これが語学習得への最短の近道です。
聞こえはなんとなく難しそうな感じがしますが、ひとつひとつ確実にこなしていけば何も難しいことはないので、是非一度やってみてください。
驚くほど英語力が上がるはずです。
それでは!