TOEICは効率よく使えばメリットに溢れた優れた教材になる話【実証済み】

TOEICといえば、英語検定と並んで日本で最も認知度の高い英語試験であることは間違いないでしょう。
しかし学習が本当に効果的なのか懐疑的な人も少なくないはずです。

「TOEICで高得点を取っても喋れるようにならないと聞いたけど・・・」
「勉強をするメリットってあるの?」
「取り組むことでどんな効果があるの?」

今回はこういった疑問を持つ方に、TOEICというのは”受験をしなくても効果的に英語力を高めることができる”ということを説明していきたいと思います。

TOEICとは

TOEIC( Test of English for International Communication )とはなんなのか?ざっくり触れておくと

アメリカのETSという非営利団体が開発している「国際コミュニケーション英語能力テスト」です。

いくつかのテストの種類がありますが、最もポピュラーなのは

”TOEIC L&R(Listening & Reading)”です。

PART1~7まであり、PART1~4がリスニング、PART5~7がリーディング、と分かれています。

満点を990点とし、

400~500:初級
500~700:中級
700~800:上級

という具合に大まかなレベル分けができます。

TOEICの学習がなぜ優れた教材になるのか

ここでなぜ「優れているか」を説明します。
大きな要因としては4つあります

①アメリカの開発機関が作成している

例えば日本人が作成した参考書や文法をめくってみると、到底会話では使えなさそうな不自然な表現が多く並んでいることもしばしば。

アメリカの機関が作っているということは文法的誤りは当然ありません。

②4カ国の英語話者のアクセントを学べる

前半のリスニングパート(PART1~4)では音声を聞いて問題に回答していきます。
この際、必ずトータル4国籍の英語話者が喋ります。
※最大同時会話の人数は3人です

その国籍はアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアです。

お気づきの人もいるかと思いますが、アメリカを除く3カ国が、ワーキングホリデー協定国です。

つまりTOEICのリスニングで満点を取れるレベルまで取り組めば、各国のワーホリでのハードルも下がります。

③参考書が充実している

ETS(TOEICを開発している機関)の公式教材も最近では解説も充実してきていて、これだけ取り組んでも高得点は十分射程距離内です。

また、ヒロ前田さんやTEX加藤さんをはじめとする”TOEIC界の神たち”が執筆している参考書もかなりレベルが高く、模試に関しても実際のテストとほとんど遜色ありません。

僕は一番最初にこの参考書を買って、半年後に405点のスコアアップを達成しました。

また半年前に最後に受験したTOEICで915点を獲得した際は、最も苦手だったPART5(短文穴埋め問題)を克服するため、この参考書を4周はやりました。

④英語の”理解力”を示す明確な指標となる

TOEICのスコアは自分の英語力がどれくらいなのか?ということを示す指標になります。

詳しくは後述しますが、これは

「実際の英語でのコミュニケーションスキル」とは別物です。

しかし、総合的に英語力が高い人でTOEICの低スコアを持っている人はいません。

つまりこの逆の”高スコアは持っているが話せない”という人はいます。
なぜなら、会話をするスキルとTOEICで正確に問題を解くスキルは別のものだからです。

”TOEIC高得点保持者でも話せる人は少ない説”は本当?

これはネット上でもたびたび見かける議論です。

先にも述べた通り、”TOEICで高得点を取る技術”と”言語としてのコミュニケーションスキル”は全く別のものです。

なので多いか少ないかに関しては正確な統計データなどが存在しない限り議論することは難しいのが現実ですが、今までそういった人に会った回数は・・・少なくはないですね笑

ただしこれは「少し極論だな」と思うこともままあり、それはこの議論の言外に
「だからTOEICなんで勉強しても無駄だ」
というような示唆を感じるからです。

例えば英語の勉強を始めて間もない人が見たら
「TOEICの勉強は無意味なのか」
と思ってしまうかもしれません。

そうやって優れた教材をスルーしてしまうのはもったいないです。

学習のメリット

「じゃあ、取り組むことで具体的にどんなメリットがあるの?」

という根拠を、これから示していきます。

自分の弱点を知ることができる

冒頭で「TOEICは総括的な学習ができる教材だ」と述べましたが、実はTOEICには「問題のタイプ」という概念があります。

”英語力”と一言に言っても、人によってその特徴は様々。
文法を熟知しているのに語彙力が足りずに問題が解けない人もいるし、反対に文法知識がないために文章の理解力が乏しいケースもあります。

こういったその人の英語力の”傾向”を、TOEICは間違った問題の統計データを元に算出してくれます。
それを見て
「あ、自分は語彙力が足りてないから分からない問題が多かったんだ。よし、単語帳を買おう!」
と、次のアクションに繋げることができます。

包括的な学習ができる

L&Rのテスト(前半リスニング、後半リーディング)では、読み聞きの能力が非常にシビアに求められます。
リスニングで言うと”その一語を聞き逃すだけで正答が選べなくなる問題”もあります。

いやらしいと思うかもしれませんが、英語を聞くときに普段使わない集中力が求められることは、日常の状況でも同じです。

特にビジネスで英語を使うシーンなどでは、相手になんども聞き返してしまっては信用を欠くことに繋がりかねませんし、スムーズなコミュニケーションができないというのはそれだけで大きなストレスとなります。

リーディングで言えば”違うところに配置された同じ情報を紐づけて考える”、いわゆる論理的思考が必要になります。

数年前に実装された新型形式から、最大で3つの文書を関連付けながら文章を読み解いていくタイプの問題が出るようになりましたが、”制限時間以内に正答を選べる読解力”が身につけば、よほどの専門文書でもない限り、仕事で使うメールや、ワーホリや移民に際し必要となる英文書類の手続きは難なくクリアできるようになるでしょう。

使い方次第でアウトプットも磨ける

この記事でも何度か触れた通り、TOEICはライティングとスピーキングのテストは別になります。

この2技能をテストしたければ別の試験を受けなければならないので、数値としての計測はできませんが、使い方次第で”アウトプットの質を磨く”ことも可能です。

※シャドーイングや音読をアウトプットと勘違いして定義している人がいますが、正確には”自分で考え、自分の言葉で書いたり、話したりすること”がアウトプットです。

以前書いた英会話レッスンの効率的な使い方の記事(https://rui-blog.net/archives/1057)でも触れましたが、TOEICをレッスンの際の教材にしてしまいましょう!

例えば・・・

  • 読解問題を音読して、発音を直してもらう
  • 長文問題を一緒に解く(時間のない人におすすめ)
  • 文章の内容について議論する
  • 語彙の中で頻出する単語を選定してもらい、その語を使ってセンテンスを作る

などなど、アイデア次第でいくらでも生み出せます。

まとめ

すでにある程度英語力があり、会話に困らないくらいの人であれば、これから始めるメリットはあまりないかもしれません。

しかし、もしあなたがまだ学習を始めたばかり、またはこれから始めようと思っているのなら、TOEICというテストはスコア以上に”学ぶ過程”にその価値があります。

極端な話、実際にテストを受けなくても、本番と同じように時間を計測しながら取り組めば、自分のだいたいの英語力は調べられます。

僕自身、これまで模試は何十回と取り組みましたが、その時の英語のレベルとほぼ同じ辺りのスコアが算出されます。

もし「そこまで言うなら、TOEIC一回くらい受けてみてもいいかな・・・」と、もし思っていただけたなら、とても嬉しいです。

そして、お気に入りの参考書を見つけ、何周も違う角度から取り組むことで、確実にあなたの英語力を伸ばしてくれることでしょう。

ひとつの教材でも、やり方しだいで無限に学べます。

スコアアップをひとつのモチベーションにするもよし、自分の足りてない部分を知り、そこを補う手段として活用するもよし。

自分に合った使い方を見つけて、取り組んでみてくださいね。

それでは!