英語学習に不可欠な品詞の理解を深めよう【TOEICにも効果的】

英語の”8品詞”というものをご存じですか?
実は英語のすべての語は何かしらの品詞に分類されます。
この品詞の理解が乏しいと

「英文の構造が理解できない、読むのが苦手…」
「英作文が難しいし、話すときにスムーズに文章が作れない…」

という状況に陥ってしまいます。
逆にこの品詞を正しく把握することで、間違いの少ない綺麗な英作文やスピーキングの能力が身に付くでしょう。

今回は8つの品詞の種類と、その役割、使い方、見分け方を解説していきたいと思います。
この記事を読むことで、品詞を把握・理解することの重要性、8個の種類、その見分け方が分かるようになるはずです。

品詞の重要性

まず「なぜ品詞を把握することが重要なのか」という話からしていきます。

英語は”語順の厳格性が高い言語”です。
どういうことかというと、この品詞の種類によって置く場所が限られている、ということです。

例を挙げてみます。

「明日、日本へ行きます。」

という文章があります。
これを

「日本へ、明日行きます。」

と言っても、違和感は特にありませんね。
では、これはどうでしょう。

「日本へ行きます、明日。」

いわゆる倒置法と言われるもので、強調したいものを文の最後に持ってくるテクニックです。この文章で使うと少し違和感がありますが笑、文法的には問題ありません。

さて、これを英文にしてみましょう。

”I will go to Japan tomorrow.”

これが一番文法的に正しい”tomorrow”の位置です。
そして他の場所に置くとしたら、最初でも可能ですが、少し違和感があります。

“Tomorrow, I will go to Japan”

なんだかものすごい決意を持って日本に行く雰囲気が漂います・・・w

このように、英文を作るときに、語を置く位置を気にしなければいけないのですが、日本語に比べると、その厳格性は高いといえます。自由度が低い、と言ってもいいですね。

※未来の形なので”will”を使いましたが近い未来だと”I’m going to Japan tomorrow”と現在進行形を使う人の方が多いです。

SVOCは忘れてOK

これは僕個人の意見なのですが、中学校で学習するSVOCの概念は、忘れてしまってもいいと思います。
なぜなら、あの考え方は”英文がどのパターンに該当するのか”を分類するだけで、文章を作る際や読み解く際の助けにならないからです。

今回の8品詞とSVOCを同時に考えると高確率でわけがわからなくなるので、注意。

実際、僕はあのSVOCの理解にずっと苦しみ、逃げ続けてきましたが・・・。
それで現在まで困ったことは一度もありません笑
特に文法書は理解しなくてもいいものも網羅的に書かれていることがほとんどなので、全てを暗記しようとせず、自分に必要なものだけをつまみ取るのもひとつの技術です。

英語の8品詞と役割、見分け方

それでは品詞の種類と役割、見分け方の解説をしていきます。

※なお、この8つに助動詞と冠詞を入れて10品詞とすることもあるが、下記の8つで”8品詞”とすることが多い
※各項目に【見分け方】の記載があるが、あくまで目安となるだけで、様々なイレギュラーが存在するので、参考程度に留めておくのが吉

名詞

名詞は大きく分けて”普通の名詞””固有名詞”があります。
実は名詞だけで5種類あり、固有名詞もそのうちのひとつなのですが、ここまで解説すると混乱するので、ここでは

”日常的に使用する名詞 = 普通の名詞”
”国名・地名・人名・書名・曲名 = 固有名詞”

ということだけ覚えておけばOKです。

名詞として、人、動物、乗り物、果物、食べ物などはイメージしやすいですね。
あとは行為:例えば、成長、訓練、窃盗、妨害。
こんな言葉も名詞です。
日本語だったら「〜する」という語を付け足せば、動詞に変わりますが、英語の場合は、多くの場合語尾の一部が変わります。

【見分け方】

・文章の最初に来ることが多い
→英文では、この名詞が文頭に配置されることがほとんどです。
なぜなら文章は「何がどうなのか」という内容を示すものがほとんどだからです。

・文章も最後に来ることも多い
→いわゆる目的語というヤツです。
先ほどの理屈だと「〇〇は△△だ」という文章の”〇〇”は高確率で名詞、”△△”の部分も名詞か、状態を示す形容詞であることが多いでしょう。

・語尾で見分けられることも
→語尾に”er”がつくと”〜する人”という意味を持つ名詞になることは広く知られていますね。
例) player, speaker, killer, helper

他には”or”が付くこともあります。
例) instructor, investor, dictator, tutor, visitor

代名詞

堅っ苦しい名前を持つこの代名詞ですが、わかりやすく言うと「”名前の代わり”」をしてくれる語のこと。
I, we, you, he, she, theyなんかが該当します。

【見分け方】

これはわかりやすくて、下記の表に該当すれば代名詞です。

なお、表に書いてあるような主格、とか所有格、とか、そういう難しい文法用語は覚えなくてOKです。
覚えるべきは2行目の「どういう作用を持つか」という部分です。

動詞

動作を示す語です。動詞にも自動詞、他動詞と酒類がありますが、この辺の理解も後々で大丈夫です。

ざっくり触れておくと、動詞のあとに目的語を取るのが自動詞。
どういうことかと言うと

”He goes.” / 「彼は行く。」

という文章があったとしたら
「え、どこへ?」
となりますよね。
これが目的語が必要な自動詞の例です。

そして現在形、過去形、過去分詞と三段階で変化することは知っていますね。
変化にも法則はあるにいはありますが、一辺倒にはいかないので、地道に覚えていくしかないです。
単語帳で網羅し、用法はTOEICなどの総合学習教材で覚え、息抜きに洋画やドラマなどを見れば相当早く親しむことができるはず。

【見分け方】

動詞の見分け方というのは本当に難しく、なぜなら名詞と同じスペルのままの語がたくさんあるからです。

これはひとつずつ辞書で確認していかないと全部の用法を覚えるのは難しいです。
しかし、文中の動詞の見つけ方は至極簡単。
理由は”英文1つには1つの動詞しか入らない”というケースがあるからです。

形容詞

形や性質など”どういう状態か”を表す語です。
日本語で言うところの小さい、大きい、低い、高い、すごい、気持ち悪い、などの語ですね。

この形容詞はたくさん数を覚えればその分表現の幅が広がるので、頻出度の高い動詞と一緒に覚えていくと会話ができるようになるまでの速度が上がります。

【見分け方】

①1つめは、”何を修飾しているか”
・名詞を修飾する
例) I saw a very tall boy this morning. / 「今朝、背がとても高い少年を見たよ」
・目的語の位置で”状態を示す”
例) My father is tall. / 「私の父は背が高い

②見分け方の2つめは、語尾から判断する方法です。
しかしこれも確実ではないので、盲信しないことが重要です。

副詞

時、場所、状態などの意味付けをする語です。
具体的には、動詞、形容詞、副詞、文全体の修飾をすることができます。
つまり”名詞以外のほとんど全て”を修飾することができます。

「えっ、修飾できるって、形容詞と似ていない?」

と混同してしまいがちです。
そうなんです。ただし副詞の場合、状態を示すことのできる形容詞の”程度”をさらに細かく表現できます。

先ほどの例をもう一度引用してみましょう。

I saw a very tall boy this morning. / 「今朝、背がとても高い少年を見たよ」

この”very”が副詞です。
つまり「どれぐらい背が高いの?」という状態を、もっと正確に描写しています。人並みでなく、めっちゃ高いわけです。

例えばveryを抜いてこんな文章だったら。

I saw a tall boy this morning. / 「今朝、背が高い少年を見たよ」

聞き手にもよりますが、背の高い少年などそこかしこにいるので、別段面白い話ではなくなってしまいますね笑。「ふーん。で?」みたいな。

“very”をつけることで「背がめっちゃ高かったんだよ!」というニュアンスを表現することができます。

前置詞

たくさんの前置詞が存在しますが、読んで字の如く、“前に置く詞”です。
では何の前に置くのかというと、名詞や名詞句です。
日本語で言うところの「上に、下に」という場所を示したり「~の前に、後に」と時間を示したりすることもできます。

【見分け方】

前置詞は全部で78個あります。
こちらも片っ端から覚えても効率が悪いので、頻繁に出てくるものは確実に押さえ、知らないものが出てきたら都度文法書などで確認するようにしましょう。

こちらのサイトに全78個の前置詞が網羅されているので、気になったら覗いてみてください。
https://mysuki.jp/grammer-prepositionsheet-833

接続詞

接続詞の役割は”文と文を繋げること”です。
ここに役割が少し似ている前置詞との大きな違いがあるのです。

実際に、接続詞は前置詞と混同してしまうこともあるかと思います。
なぜなら、以下の5つの語は同じだからです。

  • for
  • after
  • before
  • until
  • since

【見分け方】

ではこの接続詞と前置詞をどうやって見分けるのかと言うと、先述したとおり“後に単語(名詞)がくる場合には前置詞” “文章が来る場合は接続詞”という認識でOKです。

間投詞

間投詞とは、簡単に言ってしまえば”リアクション”のこと。
日本語でも会話の際、話す前に「えーと、あのー」と言ったり、相手の話に対して「うん」とか「わお!」とかって言いますね。
これが間投詞です。

定義的には“活用が存在せず、それ単体で文になりえる語”のこと。

英語は日本語と同じで、適度に相槌を打つことで相手に気持ちよく話をしてもらったり、自分がどういう姿勢で話を聞いているか示すことができますが、その相槌も間投詞のひとつです。

これには決まった型がなく、場所や世代、その時代の流行によって常に変わるので、洋画やドラマを見る際、注意深く耳を立ててみましょう。

また、以前相槌について英語の相槌12選!サラッと言えるとかっこいい表現まとめ(https://rui-blog.net/archives/1632)という記事も書きましたので、是非参考にしてみてください。

まとめ

”品詞”と聞くと難しいイメージを持って、ついつい敬遠しがちです。

しかし、日本語と言語構造がまったく違う英語を学習する際に、この品詞の把握は必須と言えるでしょう。

「ある程度勉強して、基礎的な会話力が身についた」という人ほど、この品詞の理解を深め、一段上のステージへ進みましょう。
自在に使えるようになれば、あっという間にスムーズに話せるようになるはずです。

それでは!