僕がかつて働いていたライブハウスがコロナのせいで大打撃を受けての取り組みと個人的にバンドに対して思うこと

こんにちは、ルイです。

コロナウイルスの感染拡大がいよいよ本格化してきてしまいました。 

早い段階から危機感を抱いて対策をしていた国はまだ被害が小さい印象ですが、日本はどうでしょうか。

感染拡大への予防措置も、感染が広がったの救済措置も諸外国に比べてまだまだ及んでいない部分が多く残っていると思います。

政治批判に繋がるような内容のブログ記事やツイートはこれまで一切してきませんでしたが、今回僕がかつて働いていたライブハウスがコロナの影響をもろに受けて大打撃を受けてしまい経営が危ぶまれる中、バンドの仲間でもある現店長の藤村JAPANさんが発信活動を開始する旨連絡をいただき思うことがたくさんあったので、今日はいちバンドマンとして、フリーランスとして働く身として、世の音楽活動に携わる方や、イベント制作者をはじめとする

「企画を通して人と人とが会う場を作る立場の人々」

に対して、僕なりの考えをシェアしたいと思います。

先に断っておきますが、この記事で触れることは僕が所属しているバンドtataraの考えとは一切関係がなく、あくまで僕自身の考えであること、また根拠なく単純に政治政策を糾弾するものではありません。

元勤務先のライブハウスから届いたメッセージ

僕が元々働いていたライブハウスNINE SPICESから届いたメッセージというのは、簡略化すると

「コロナの影響を受けて経営が厳しくなっている。 YouTubeの投げ銭機能を上手く活用すれば僅かながら収益化につなげられるかもしれない。それにはチャンネル内での動画再生時間4000時間以上と、1000人以上のチャンネル登録者数が必要。ぜひチャンネル登録をして、今後の発信を見てほしい。今できることを考えて、実行に移さなければいけない」

というものでした。

「今できること」か・・・。

僕はかつてスタッフだったからというのはもちろん、たまに共演もしている彼の動画をすぐさま観ました。

そしてそのすぐ後で、誰もいないライブハウスで一人弾き語りをする彼の姿が。

おそらくスマホのインカメラ、撮って出しの無編集の弾き語り動画。

世のバンドマン達へ

「できることをやる」というのは、今危機的状況に追い込まれている人全員が考えなければいけないことだと思います。

ここで僕が言いたいのは「できることをやる」ことがすなわち「イベントを強行する」ではないということです。

僕もいっぱしのバンドマンです。かれこれ14年間、人生のほぼ半分、バンドに所属して、音楽を作ってきました。

だからこそ言わせて欲しいのですが

今はライブは控えて下さい。

この状況で「人が集まる場を作る」というのはどういうことなのか、もう一度冷静になって考えてみてください。 

簡単に決断できない事情はとてもよく分かります。

イベントの企画は、汗と涙の結晶です。

寝る間も惜しんで作った曲をかき集めて音源を作り、縦社会が厳しいバンド社会において先輩バンドを呼んだり、友達や仲間に連絡を取って集客して、フライヤーを刷り、配って・・・

それでもチケット代の総計がライブハウスを貸し切る料金を下回れば、なけなしの金を出す自腹となります。

バンドマンにとって自身の企画というのは文字通り生活をかけて、時間をかけて取り組んでいるというのは重々承知です。

それを知っている上で言います。

どんな状況でもイベントを強行するという考えは、浅はかすぎます。短絡的です。

そのイベントにいくら膨大な金額が動いてようが、何人のスタッフが関わっていようが、何人のお客さんが来てくれるつもりであっても。

先のことを考えてください。

無理やり強行したとして、それがきっかけで感染が広がり、家庭や、大事な人との空間にウイルスを持ち込み、目の前で大事な人が苦しんだり、死んでいくのを想像してください。

そのきっかけを、まさに作ろうとしているのです。

この状況で可能性がないなんて誰にも生きれません。

たとえ感染拡大の初期段階であっても、イベントを行っていいという基準は、出演者、来場者の過去一定の期間に移動した場所、接触した人物などあらゆる行動が特定できる場合のみですが、そんなこと無理に決まってます。

可能性がゼロでない限りは、ダメです。

パンクだロックだ、美学も芸術も関係なく、安全の上に娯楽が成立していることをまず理解し、お客さんを大切に思うならなおさら、今開催するという選択は悪手すぎます。

何もするなと言っているわけじゃない

そもそもバンドマンにとって、ライブハウスでライブをすることだけができることなのでしょうか?

そんなことはないですよね。

曲を作ることは家でもできるし、ラフでもいいからデータをメンバーに共有すればアイディアも出しやすいはずです。

これからリリースする予定の根源の構成を考えたり、ジャケットのイラストを発注したり、活動を再開した時のために物販を充実させたり。

できることはたくさんあるはずです。 

またバンドのファンの方にもこうした活動を支援してもらえる仕組み作りは大切です。

自分たちがどういう状況に置かれていて、今後どういう風に活動していくのか。

言わなければ誰にも伝わりません。

活動ができなくなってすげすげと解散を表明するのか、オンラインで完結するようなコンテンツを作って応援してくださっているお客様に販売してマネタイズを図るのか。

ファンは果たしてどちらを望んでいると思いますか?

「今できること」とは、限られた環境下であっても、状況が快復した後のことを考え、今ややるべきことをする、ということです。

お客さんへのお願い

そしてできることならば、日頃からライブハウスで遊んでいるお客さんも、応援しているバンドや遊びに行っているライブハウスの発信や動向をチェックして、応援できる時はしてあげてください。

ライブハウスによっては情報を発信するだけでなく、営業を再開した後で利用することのできるドリンクチケットを販売している所もあります。

「お金を使ってあげてくれ」と言っているわけではなくて、自分が応援していると思っていること、これもまた相手に言わなければ、伝わることはありません。

SNSやYouTubeにひとことコメントがあるだけで、ミュージシャンには大きなモチベーションになります。

今一度、自分にできることは何なのかを考え、そしてできることから始めてみてください。

事態の収束までの速度は、今まさにとっている行動に依存します。今はどうか冷静な判断を。