フィリピン留学を決意して、これからがっつり勉強していくぞ!
・・・と意気込んだはいいけど
「学校選びはどうしよう?」
と悩んでいませんか?
「意思が弱いからスパルタにしようかな」
「自由なところだと遊んじゃいそう」
こういった理由でスパルタ校を選ぶ方が少なくありませんが、一定の人以外は
スパルタ校に行く効果は低いです。
最初に結論を述べておきます。
“スパルタ校は、英語力ゼロからスタートする人が、英語の基礎の基礎を身につけるために1ヶ月のみ行けばOK”
です。
この記事を読めば
”フィリピン留学でスパルタ校にずっと通わない方がいい理由”
について理解できます。
目次
スパルタ校とは
「そもそもこのスパルタ校って何?他の学校と何が違うの?」
という部分について説明していきます。
フィリピン留学の学校は、大きく分けて3種類
- スパルタ
- セミスパルタ
- ノーマル
という区分けができます。
①スパルタの特徴:
- 平日の外出禁止
- 強制自習あり
- 宿題モリモリ
- 門限あり
- テストに合格しないと週末も外出禁止
②セミスパルタ:
- スパルタほど厳格でない
- 週3のみスパルタ
- テストサボると外出禁止
③ノーマル:
- いつでも外出OK
- 門限なし
- 特にお咎めなし
※門限や校則については学校によって細かく設定されています
ただひとつのメリット
このスパルタ校に通うメリットはひとつしかありません。それは
”やらなきゃいけないところに追い込める”
ということのみです。
スパルタ校を選ぶべきでない理由
しかし”やらなければいけない環境”が全員に効果的に作用するかといえば、そんなことはありません。
人は基本的に何かを強制されるとストレスになります。
ストレスが重なれば拒否反応に繋がり、モチベーションは下がり、意欲がなくなるので、強制された内容が頭に入ることもありません。
要するにメチャクチャ効率悪いのです。
例えば軍隊のように、個性を殺すことから始め、全員に等しく同じ技術を植え付けようとするなら、このシステムは極めて有効に作用します。
しかし英語は”言語”です。
選ぶ言葉や表現は人によって違いますし、得意不得意なんて千差万別。
それをひとつのカリキュラムを全員に強制させるなんてナンセンス。
人によって効果的な学習法は異なります。
そういう意味でもスパルタ校を利用するのなんて、基礎がない状態の人が1ヶ月利用すればそれで十分。
この1ヶ月はむしろ牢獄のような環境で基礎を身につけないといけない期間になるので、かなり有効に活用できるでしょう。
それではここから「スパルタ校はおすすめしない」と言う、その根拠を述べていきます。
フィリピンは”純英語圏”ではない
最初に一番大事なことを。
フィリピンの第一言語は英語ではありません。
ご存知の通りですが、タガログ語(正確にはフィリピン語)です。
なぜこれがおすすめしない理由のひとつになっているかというと
”フィリピンで何年過ごそうが”完璧な英語は身に付かないから”
です。
完璧な英語は何かと言えば、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの純英語圏で使われている英語をネイティブ達と遜色なく話し、スムーズに使用することができる英語力です。
僕はセブでの7ヶ月での留学の後、トロントとバンクーバーの完全英語環境で働いて生活をしていましたが
フィリピンで使われている英語は純英語圏のそれとは異なります。
「じゃあそもそもフィリピンの留学って意味あるの?」
と聞かれそうですが、これは大いにあります。
ここでは端的に説明しますが、このような理由が挙げられるでしょう。
- フィリピンの英語の先生は教えるプロ
- 日本からも地理的に近い
- 留学費用が安い
つまり英語に身を慣らす環境としては最適です。
話を戻すと、純英語圏でない国で学習の強制をさせられる、というのは”覚えなくてもいいことを覚えさせられたり、学ぶ必要のないものを学ばせられる”ということに繋がりかねません。
実際に、最近フィリピンのスパルタ校で学習を終えた友人からテキストを見せてもらいましたが、そこにはひたすらに文法構文が並んでおり、端から端まで覚え、毎日テストをしていた、とのこと。
こんな学習をしていても、話せるようになるまでの”遠回り”にしかなりません。
文法や語彙力は言語を構成するただの要素です。
1から100までを覚えたところで話せるようにはならないし、学習者には頻出度や重要度がわからないので
”頻出度の高い = 重要なものから覚えていく”という無駄のない学習にはなりません。
息抜きが自分のペースでできない
息抜きをするタイミングすら自分で選べないなんて苦痛でしかありません。
週5で8時間のレッスン。それとは別に予習・復習・宿題。
いきなり慣れないものを勉強して、ただでさえ負荷がかかっているというのに、買い物をしたりお酒を飲みに行くことも許されない・・・。
僕だったら確実に挫折します(笑)
学習内容を自分で選べない
先述した通り、学習者の特不得意は人によって違います。
単語を覚えるのが得意な人に毎朝の単語テストを出題したって意味ないですよね。
しかしスパルタ校だとその時間を他に費やすという選択ができません。
また、ある程度のレベルまで到達した後は、そこから学ぶ方向性だって変わります。
例えば、海外でシェフを目指すなら調理器具や食材の英語名を覚える必要があります。
要するにレベルが上がるほど柔軟性のある学習が求められるのに、ガチガチのカリキュラムを受け続ける必要はない、ということです。
正しいスパルタ校の使い方
では、どんな人がスパルタ校を利用するべきなのか?
これは冒頭でも触れた通りですが
”これから勉強しようと思っている基礎がまだできていない人が基礎を固めるために1ヶ月行けばOK”
です。
1ヶ月あれば英語の文法構造や最低限の語彙力を身につけることができます。
そのあとは自由な校風の学校に移り、自分の勉強したいこと・するべきものに注力するために、授業をカスタムできる環境に移るのが賢明な判断かと思います。
まとめ:ユルい学校の方が良い
「自分は意思が弱いから強制させられるスパルタにしよう」
という考えで入学するのは、はっきり言って安易です。
言語や技術だけでなく全ての”学習”において、誰もが一番最初に認識しておかなければいけない最も重要なことは
“人によって学ぶべきポイントが違う”ということです。
マンツーマンレッスンの最大の強みはなんでしょうか?
”弱点を最短効率で克服し、長所を短時間で伸ばせること”
です。
では、スパルタ校で組まれるカリキュラムや出題されるテストは個人個人の能力や弱点に基づいて一人ひとり別に作られたものかと言えば、そんなことはありません。
つまり、極論を言ってしまえば
格安でマンツーマンが受けられるのが売りのフィリピン留学で、マンツーマン授業に注力できないスパルタ校に行くというのは、フィリピン留学最大のメリットの質を落としてしまうことになりかねない
ということです。
自分で工夫して勉強法を考えたりするのが好きな人は、特に注意が必要です。
【余談】
僕はQQEnglishという語学学校へ通っていました。
ここの校風は非常に自由で、いつでも外出可能、門限なし、宿題も先生によりますがほぼなし、という状況でした。
自由な校風だからこそ、僕はやりたいことに全力で注力できました。
まずプランを選択する際に、マンツーマン6コマのみのプランと、それに加えグループレッスン2コマ付き、1日計8コマのものがありましたが、迷わず前者にしました。
グループレッスンで得られるものは少ないからと考えたからです。
その時間にすら、予習や復習、自分の弱点を攻略する時間に充てたかったのです。
学習して3〜4ヶ月もすると、学校側が用意している教材のほとんどを終えてしまったので、そこからは
- 発音の徹底的な強制
- スピーキングに特化した授業
- TEDやNEWSを一緒に取り組む
といった授業を自分でカスタムし、先生に手伝ってもらいました。
僕の場合はレッスンが朝10時から開始だったので、朝6時か7時に起き、2〜3時間をシャドーイングと前日の軽い復習に充て、夕方のレッスンの後、一日の復習と、翌日の予習をし、自分のやりたい内容の勉強をします。
そして全ての工程が終わる22時ころ、毎晩のように近くのバーへ行き、ビールを1〜2杯飲みながら、その日勉強したことや覚えた単語を使ってバーテンと会話します。
これがめちゃくちゃいい勉強になりますw
これを7ヶ月間毎日繰り返し、無遅刻無欠席で卒業しました。
ちょうどいいバランスでインプットとアウトプットを継続できたのは、自由な校風があったからです。
慣れないことをしていると、人間は疲れます。
一日勉強をしなくたっていいし、たまには友達と遊びに行くことも大事です。
”やりたいときにそれができない”というストレスを抱えながら勉強するより、自分自身で適切な負荷を与えながら学習していくことを、僕はお勧めします。
それでは!