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トロントで経験したローカルカフェでの仕事について【カナダワーホリ】

海外でこれから働くぞ、という時、語学力を筆頭に色々な不安が頭をよぎりませんか?

「お客さんや同僚の言っていることがわからなかったらどうしよう…」
「かと言ってジャパレスだけでワーホリを終えたくない…」

今回はそういう方の為に、自らの経験を踏まえローカルの仕事の実情を公開します。
それではひとつずつ見ていきます。

詳細(店舗・時期・給料)

・お店の名前 Bread & Roses Bakery Cafe
・住所 2232 Bloor St W, Toronto, ON M6S 1N6, Canada
・時給 11.5CAD (2017年) + チップ (少額)

12月は極寒のトロント。
晴れて見つけたローカルジョブですが、やはり簡単なことばかりではありません。

僕が海外で最初に働くことになったのはベーカリーカフェです。
強化版サブウェイと言ったら分かりやすいかもしれません。

パンの種類や具材を選べるサンドイッチの他にクロワッサン、マフィン、ベーグル…焼き物ならなんでもあり、サラダやケーキまであります。

見つけた方法

Craigslist
この求人からオーナーに直接メールを送ることができるので、連絡を取って面接まで漕ぎ着きました。

面接で聞かれた事

・英語環境での仕事したことある?

回答:無いけどフィリピンでたくさん勉強したからきっと大丈夫なはず!
日本で飲食店の経験はあるから、食材の知識はあるよ!

・残っているVISAの期間は?

回答:来たばかりなので最長で12ヶ月働けます。

・週に何回入れる?土日は出れる?

回答:学校に行ってるわけではないので何日でもOK。
土日はどっちも出れます!朝か夕方だったら、できれば朝希望です。

大事なことはとにかく笑顔で、はきはき答える!
そして運よく無事に採用していただけました。

仕事内容

  1. お客さんのオーダーを聞き、
  2. 受けたオーダーの飲み物や食べ物を準備したり作ったりして、
  3. 最後に商品を渡してお会計をする

この一連の作業を一人で行います

とにかく大変だったのが①のオーダーの聞き取り

前述した通りサブウェイの選択肢が多いバージョンみたいなところだったので、無限の組み合わせがあるわけです…飲み物もコーヒー類をはじめいろいろな種類がありました。

最初は普通のオーダーでも難しいのに、食材の名前を全部覚えた上で正確に聞き取って作らないといけないので(間違って作ってアレルギーのものなんて渡してしまったら大変)

最初かなり苦労しました

最終的に誰の力も借りずに一通りのオーダーをこなせるようになりましたが、簡単な物でも最初から最後までできるようになるまでに4日かかりました。
しんどかった…

挫折

それでは実際にあった出来事や仕事がどんな感じだったかを具体的に書いていきます。
先に書いてきますが、この職場、最初のローカルジョブとしては難易度高めで結構過酷だったので

「うわ〜ローカルこんな感じなんだ…」

とあまりビビらずに読んで欲しいですw

勤務初日

地下一階がベーカリーになっていて、地元のカナディアンのおばあちゃん数人の職人たちが毎日まだ暗いうちからパンを焼いています。
一階にレジ・キッチン・客席があり、2階は事務所。

挨拶もそこそこに、さっそくトレーニング開始。

※ちなみに日本でよくある研修中は給与が低くなるような事は、その後経験した仕事でもありませんでした

アイルランド人の女性スタッフが教えてくれることになったのですが、控えめに言ってこれがもうトラウマレベルの経験でした。
矢継ぎ早に繰り出される説明、メモをとる時間はおろか、わからない部分を聞く前に次の説明が始まってしまう。
彼女にとっても海外就労経験の無い、大して英語も喋れない外国人に仕事を教えるなんて思ってもない事態だったのでしょう。

「なんで私がこんなことしなきゃいけないのよ」

という態度がもうありありと伝わってきましたw

開店してまもない時間、お客さんがやってきます。

「これからオーダー取って実際作ってみるから見てて」

そう言って高速でやりとりが進み、サンドイッチを作り始める彼女。商品を渡して、会計を済ませて一連の流れが終了。
次のお客さんが入ってくると彼女はこっちを向いてニッコリ一言・・・

「はい、あなたの番!」

おいおい、嘘だろ…

もうやるしかない!

“What can I get for you?”
と言ってみるも何を注文されているか全くわからない。

“Can I get a ham & cheese sandwich with corn bread without cucumber please? I’d like you to toast it twice and I also need…”

ちょちょちょww
ちょっと待て。ぼ、ぼく今日しょにち…

あまりのダメさに、後ろで見ていた彼女もため息とともに

”Oh my god…”

とボソリ。

それはこっちのセリフだ

英語力があればこのくらいは造作もないのでしょうが、これではショック療法を通り越して心肺停止レベルです。
今思えば女性スタッフの彼女も可哀想で、本来新人を教育する役割のマネージャーがたまたまその日は二人とも休みだったそうで。

要するに貧乏くじ引かされたわけです

初日はそんな感じで商品知識を得られないまま

実戦投入→無事死亡

を何度も繰り返し、泣きそうになりながら帰りました。
ただ、帰り際にはもう

「ぜってー見返してやる…」

という感情がふつふつと湧いていたので、初日から行動に出ました。

作戦を練る

一品物の商品はハイって渡して終わりなのでいいんですが、とにかく選択肢が多すぎる。
しかし他のスタッフのオーダーの取り方を観察していて、ある一定のパターンがあることを発見しました。
それは

オーダーを取る
  ↓
サンドイッチ系だったらどのパンの種類か
(トースト7種類、ベーグル、クロワッサン)
  ↓
具材、ソースの有無、アレルギーの確認
  ↓
トーストの焼き加減
  ↓
店内か、持ち帰りか

という流れです。
なぜ自分がオーダーを取れないかを考えると

  • 商品の種類を知らない
  • 食品の名前を知らない
  • 選択肢を知らない

これが原因です

商品知識もないのにモノなんか売れないのは当然です。
というわけでまず全てのメニューを覚えるべく、メニュー、レジのタッチパネルの商品の配置、全ての商品を写真に収めます。

半べそ掻く勢いで退勤したあとはパソコン片手に自宅近くのカフェに入り、写真を見ながら食材の英語名を頭に叩き込みます。
ついでにコーヒーの種類と作り方も調べ、ノートにまとめる。

次に、注文の内容を二度言わせてしまわないように自分専用のノートを作りました。
内容は上記したサンドイッチの選択肢を表にしたもので、一番上の欄に左からサンドイッチの種類、パンの種類、具材…という風に記入。

オーダーを取る際は自分で分かるように簡易的に書き込んでいきます。Ham and Cheese SandwichだったらHCという具合です。
後は取ったオーダーを復唱して確認すれば、間違ったものを渡す心配はなし。

起死回生

この作戦が功を奏し、4日目ころには大体のオーダーは一人で捌けるようになり、2週間が経つころは先輩にほぼほぼ何も聞かなくても大丈夫になりました。

というのもこの職場、ひとりのお客さんに大してオーダー→会計まで一貫して行うので、途中で誰かに聞いたり助けを求めたりすると、その分時間がかかって他のお客さんの迷惑になってしまうのです。まさに巻き込み事故。
だからそういう事態になる前にわからないことを潰しておく必要がありました。

得られたもの

この職場で得られたもので一番大きなものは

”ローカル環境で働く”という、本当に貴重な経験

カナディアンはもちろん、韓国人、イタリア人、フランス人と国際色豊かな環境で働けたのは今思い返しても楽しかったです。

そして英語力も相当伸びました

必要に迫られると人間ここまで短期間で伸びるんだな、と自分でも驚いたほどです。
難易度は高かったけど、その分リターンも大きかったと今では感じます。

まとめ

ワーホリで海外を訪れる人の中にはどうしても「ジャパレスは甘え」みたいな風潮があるのですが、英語環境は簡単なことばかりではありません。

現在ローカルジョブを探している方は、カフェやBarなどの難易度が高めの所より、最初はファストフード店などで始めると、選択肢もそれほどなく、マニュアルや教育システムもしっかりしていると思うのでおすすめです。

どんな環境でも最初は伸びしろしかありません。
しんどいことがあっても絶対に打開策は存在します。
落ち込んだ時は美味しいものを食べてたくさん寝て、次の日からまた頑張りましょう。

それでは!