「ワーホリが就活に不利になる」というのは嘘です【体験談】

ワーキングホリデーへ行きたい!でも…

「ワーホリに行くと就職に不利になるって聞いたことがある」

という人が、驚くことに一定数います。
これは、完全に間違っているわけではありませんが

ほぼ嘘です。

結論を先に書くと、不利になる状況というのは

  • 超大手でバリバリのキャリアを歩む
  • アホな採用担当がいる会社

これくらいしかありません。
国際化が進む世界で、海外での長期滞在経験者に一律で”使えないレッテル”を貼るなんて

「寝言は寝て言え」

っていう話です。

こういうことを、実情を何も知らない人間が話しても説得力に欠けるとと思うので
海外長期滞在3カ国4都市、累計滞在期間約2年半で一時帰国時に東証一部企業でマネージャーをやっていた僕が、経験談も交えてお話します。

ちなみに働いていた会社は独立採算制を採用していて、部署内に人事組織がなかったので採用〜研修まで一貫して僕がプログラムを作り、面接も100人近く行ったので、そこそこ実際的な内情を知っているつもりです。

なぜ「ワーホリが不利」?

そもそもなぜこの”ワーホリ就活で不利説”がまことしやかにささやかれているか、という点です。
インターネットでその理由を探してみると

  • 「ワーキング」よりも「ホリデー」のイメージが強く、遊んでいたと勘違いされる
  • 農場で働いた経験があっても会社で活きない

などなど、とんちんかんすぎて理解不能なことがもう、出てくる出てくる…。

御社一体どういう採用基準設けられているのでしょうか。

こういうところで書いてあるような

「履歴書にワーホリの経験の記載があるだけで不利!」

なんてのは真っ赤な嘘です。大ウソ。

ワーホリを経験していたというのは単なる”事実”で、そこで何をしていたのかが重要なのは、言うまでもありませんよね。

もしワーホリに行っていたという事実だけでマイナス評価を下されるという会社があるのなら辞退しましょう。
そんな会社、未来がなさすぎます。

本当に不利になるケース

日本と同じ生活をするタイプ

しかし、本当に不利になってしまうケースは実際に存在します。

どんなものかというと

海外で浮かれて日本人ばかりとつるみ、日本料理屋でしかアルバイトせず、日本で生活するのとなんら変わらない生活をするパターン

がこれに該当します。
要するに「海外で何やってたの?」っていうタイプの人。

でも僕が見てきてこれだけひどい例は稀ですね。

国によっても違いがありますが、僕が滞在したトロント、バンクーバーではあまりいませんでした。体感だと50人に1人くらい。

こういう人とは距離を置く

そして数が少ないとはいえどこにでもいるこのタイプ、付き合いもほどほどにして、あまり懐に入らないようにしましょうw

大体この手の人は海外にいながら向上心が異常に低いか、英語に対してアレルギーを持っているので、現地のローカルな人が行きそうな場所や”その場所でしかできない経験”に関する情報を持っていないことがほとんど。

逆に、英語も堪能で、現地の人ともコミュニティを持ち、正しい情報の集め方を知っている日本人も多くいます。

友達になるべき人はこういう人種です。
人に会う機会を捨てなければ必ず見つかります。

目に見える実績を残そう

さて、上記した”本当に不利になっちゃうパターンの人”のようにならないためにも、目に見える実績を持っておくことがとても重要です。

なぜならこれらの実績は就活や転職の際にも有利になるからです。

代表的なものはTOEICですね。

TOEICの話をすると

「あんなテストでは実際的なコミュニケーションスキルを測ることなんてできない!」

と謎のアンチ根性を発揮する人がいるのですが、それとこれとは全く別の話。

というか、僕は脊髄反射でそう言っている人のほとんどが、実際にTOEICに真剣に取り組んだことがなく、またその効用も本質的に理解していない場合が多いように感じます。

これに関してはTOEICは効率よく使えばメリットに溢れた優れた教材になる話【実証済み】
という記事でも触れているので、よければ参考してみてください。

※帰国後に日本企業に就職・転職するならTOEICのスコアはまだまだ効力を持ちますが、もしも外国の大学への進学・移住を検討するならIELTSが世界標準です。

この辺のことも英語力を維持するために帰国後にやるべきこと5つ
という記事で少し触れているので、気になったら読んでみてください。

アピールの方法は無限大

具体的にどう実務で役立つかを示す

一番重要なことは履歴書の作成時や面接の際に

”その経験を実務でどう活かすことができるか?をアピールすること”

です。

採用担当や面接官はここを見ています。

「ワーホリ行きました!TOEIC900点です!英語できます!!」

これでは漠然としすぎているし”どういう風に(どの程度)英語ができるか”といった具体性に欠けます。

また応募している会社によってどういう形で英語を使うようになるかは変わるので、その部分との擦り合わせも当然必要になってきます。

ワーキングホリデーでカナダに滞在していた間、有名アパレルブランドでの在庫管理と発注管理をしていました。
完全英語環境での業務だったので、ビジネスでも十分通用する英語力を身につけたと自負しております。
また、TOEICにおいても900点を獲得したので、会話だけでなく、メール等の文書のやりとりもスムーズに行うことができます。また、英語の総合力を測るILETSのスコアでは・・・

こういう具体的な根拠と数字を照らし合わせれば、無双できます。

面接で英語を喋ろう

なんなら、面接で英語を披露してしまいましょう。

発音がきれいかどうか、正しい英語を使えるかどうか。
そういう部分も確かに見られますが、面接官が見ているのは”公の場で英語を話すことに抵抗がないか”を気にしています。

ここで自信満々でプレゼンできれば「この人だったら海外出張に出しても問題なくタスクをこなしてくれそうだな」と思ってもらえるかもしれません。

僕は帰国してすぐに転職サイトに自分のプロフィールを登録した際

「電話で英語力を証明することもできます」

と記載し、実際に何社かから面接時間の設定で電話をいただいた際に、英語で自己紹介をしました。

でも語学だけが武器じゃない

しかし、ワーホリに行った全員が全員、語学に堪能になったり、テストで高得点を取れるわけではありません。

さらに厳しいことを言うと、言語はただの触媒に過ぎず、それ自体で利益を生み出すことはできません。

海外での長期滞在をしたことがある人とない人の差は”多様性に対する価値観”です。

たとえば、マネージャーの仕事を経験すると、その人に合った適切なマネジメントを配慮しないと、職場環境はあっという間に悪化するということがよくわかります。

ブラック企業で採用されている、恐怖政治を利用し圧力で支配するといったマネジメントが敷かれているのは、その方が楽だからです。

要するに杜撰なわけです。でも怖がって、誰も何も言えない。

では一人ひとりに合ったマネジメントをしていく上で一番重要なのは何かというと”多様性を受け入れられるキャパシティ”です。

「俺は正しい、君は間違っている!」

これがやってはいけないマネジメント。

話を戻します。
海外で仕事をすると、特に多国籍国家でいろいろな国の人と一緒に働くと、尋常じゃない多様性に触れることになります。

「なんで就業15分前に来なくちゃいけないの?」

これに対してすら疑問を持つ、文化もバックボーンも全く違う人間たちと協力して働き、結果を出さなければいけません。これは想像以上に骨が折れます。

そしてひとたびこんな経験をすると、どうやって個人の考えや習慣を尊重しながら気持ちよく働いてもらうか、ということを考える能力が身につきます。

これは語学とはあまり関係のないフィールドですが、この感覚を持った人材は非常に重宝されます。
視点を変えれば”人と違った経験”それ自体を差別化し、アピールすることもできます。

まとめ

ワーキングホリデーというVISAは

「1年間、働いてもいいし、何してもいいよ」

という、魔法みたいなVISAです。

かくいう僕も、25歳まではただの冴えない、何のスキルも持っていない売れないバンドマンでした。

フィリピン留学で準備運動し、カナダで英語のみで生活し、現在は台湾で中国語の中で生活しています。

得られたものは、語学力もそうですが
「日本でなくても、生きていける」
という自信と、様々な困難から磨いた、問題解決能力です。

様々な経験をし、選択肢が増えると、人生は確実に豊かになります。
見聞を広めることは人としての器を大きくします。

就職に不利どころか、人生を豊かにするきっかけがそこかしこに転がっています。

何の根拠もないネットでの情報を鵜呑みにせず、勇気を持ってぜひ行ってみてください。
確実に得られるものがあります。

それでは!