数ヶ月前、かつてカナダ一緒に働いていた後輩から、SOSのメールが来ました。
「ちょっと前まで海外であんなにキラキラしていた時間を過ごしていたのに、日本に帰ってきて就職したら、好きな英語とは全然関係ない世界で毎日辛い思いをして働いて…このままでもいいのかなって考えちゃって、連絡したんですけど…」
どうやら新卒で入った典型的なブラック企業に安月給で使い倒され、疲労とストレスが止まない状況らしい。
ふと数年前の自分を思い浮かべると、ほとんど同じ状況だった自分がいます。
返信したあと、もしかしたらもっと多くの人が同じような状況に喘いでいるのでは、と不安になりました。
今回は状況に縛られて他のことが見えなくなるほど消耗している人に、他の選択肢を示していくことができればと思って、この記事を書きます。
目次
理論的に “理由” を書き出そう
これは僕の持論ですが、感情的になった時ほど、理論的に問題を分解して “悪影響を与える腫瘍” をひとつずつ潰していく方が、問題解決のスピードも早く、その正確性も増すと考えています。
ブラック企業の定義づけはこの際どうでもいい
注意すべきは
「他の人は大丈夫 = おかしいのは自分なんじゃないか」
という考え方に陥ること。
要するに、他のみんなは耐えていたり、結果を出しているのだから、そういう状況で辛い思いをして結果を出せない自分が普通ではないのではないか?という思考です。
こういう考えは一旦捨ててください。
何故なら、その企業が例え有名なホワイト企業でも、病む人は病むからです。
それは外的要因ではなく、性格です。
自虐的に “社会不適合者” という言葉を口にする人はいますが、これは仕方のない場合もあります。
昔であれば「努力不足」とか「気合が足りない」で一蹴されたかもしれませんが、何かの病気が関係していることだってあります。
無理なもんは無理なんです。
本当は耐えられないのに、無理をして精神を壊し、可能性にあふれたその後何十年を棒に振るくらいなら、そんな場所はさっさと離れ、自分を最適化できる環境を探すために奔走したり、現段階で価値を見出せる場所を見つけましょう。
別に、やりたいことなんてなくてもOKだし、目的意識もいりません。
なぜ、辞めたいのか?
いろいろな要因が複雑に絡み合っている場合がほとんどでしょうが、まずは「なぜ辞めたいのか」を考えてみましょう。
そしてそれを書き出して可視化して、その環境内で解決できそうな問題があれば解決方法を考えてみましょう。
改善案を考える
例えば「上司が嫌いだ」という理由なら、その上司が明らかなパワハラをしているとか、誰の目から見ても明らかに悪い場合はそのさらに上の上司や人事部に相談して解決することもできるかもしれません。
同じ思いをしている同僚と結束して会社に直談判するのもいいでしょう。
逆に
「毎日満員電車に乗って朝から会社へ通い、週末は休息をとるので精一杯だという状況がたまらなく嫌だ」
というような場合、
会社がどんなに優良であれ働き方そのものを考え直す必要がありそうです。
大事なことなのでもう一度言いますが、人の感じ方はみんな違います。
人に話すと「満員電車くらいみんな我慢してるよ」と自分の苦労を棚に上げてさもお前より頑張っているんだぞ感を出してくる人間がいますが、
はっきり言ってこういう人間とは縁を切って関わらない方がいいと思います。
思考停止して自分が世界基準だと勘違いしている典型的な残念な人だからです。
自分で認識していないだけで、満員電車がすでに許容できないほどのストレスになってしまう人だっています。
その事実をまずは受け入れ、会社に行かなくてもいい職に就くとか、会社から徒歩圏内に引っ越すなどの術を考えましょう。
理想的な環境を考えてみる
そして「辞めたい理由」の他に「理想的な環境」を考えてみることも大事です。
このふたつを考えることで、まず自分の状況をどういう風に改善していくかを考え、さらにそれが不可能だった場合
「では、どうすれば自分が気持ちよく働くことができるのか」
という考えに発展させることができます。
- どういう環境があれば自分が仕事を続けられるのか?
- 仕事をしている時求めていることはなんなのか?
- おしゃれなオフィス?
- 報酬?
- 利便性?
- 一体感?
- 承認欲求?
- 挫折と克服?
思いつくままに紙に書き殴れば、自ずと自分自身のことや改善案が出てくるはずです。
まとめ
自分が我慢できる部分と「これ以上は無理」という領域をはっきり決め、それを超えたら転職や違う働き方を検討した方がいいかもしれません。
選択肢は、自分が思っている以上に多いことがあります。
これを知るために、ゆっくり休息したり、行ったことのない場所にいくことはとても有効です。
【余談】僕の歩んだ道
いまでこそ俗に言う “ノマドワーカー、フリーランス” という憧れだった働き方を実現できそうな僕ですが、かつては会社員として何度も消耗しました。
僕の場合は、あることが重なって全てリセットしたい気持ちになり、留学を決意。
フィリピン→カナダを経て実生活・仕事で困らない程度の英語力を身につけた後、帰国して再び働き始め、またいろいろあり、多くの学びを得たあとで退職し、今度は台湾で仕事しつつ中国語を学び、去年の12月に帰国し、次の一手を考えているところです。
台湾滞在中の5月、今まで経験したことのない貧乏を経験し、本当にご飯を買うお金がないという状況でしたが、この時の経験がベースとなり
「自分一人の力で食っていくにはどうしたらいいか」
を考え、日本語教師をしたり、翻訳業を始めたり、動画編集を始めたりして、今の状況にたどり着きました。
まだまだ道の途中ですが、東南アジアなどの物価の安い国であれば、パソコン一台でどこでも生きていける語学力と、スキルは身についた自負があります。
選択肢は自分の決意があればいくらでも増やせます。
時代の恩恵を享受し、大きな流れを捉えることができれば、稼ぐ方法はいくらでもあるはずなんです。
その中であえて会社員であることを選ぶというのはもちろんひとつの決断ですし、僕は人によってはとても賢明な判断だとも思います。
でももし今現在消耗していて「なんとかしたい」と考えているのなら、自分の憧れの生き方をしている人を見つけ、観察したり、コンタクトを取ってみたりしましょう。
そういう小さな一歩が人生を大きく変えてしまうこともあります。
冷静な分析と行動で、より実りある人生を切り開いてください。
それでは!