フリーランスやクリエイティブな職業で活躍されているみなさん、”納期” に対してどんな姿勢で捉えていますか?
この納期という言葉が使われない職場、例えば一般事務の仕事だとしても、納期はなくても “期限” や “終了目安” はありますよね。
仕事が早く終わる分には恩恵も多いですが、今回はこの納期についての認識で感じる部分があったので、話していこうと思います。
目次
納期の捉え方
まず、納期と聞いたら、その時間までに100%終わるようにしなければいけないということは当然の認識だと思いますが、
職種がクリエイティブ系になると何が難しいといえば、終わりという終わりが特にないことです。
例えば自分が100%だと思って納品したものでも、クライアントにとっては
うーん…ここはこうじゃなくてああいうイメージなんだけどな…
といったことが起きることもあると思います。
これは何もクリエイティブな職種だけでなく、どんな状況でも起きることで、
例えば上司にお願いされた仕事をこなして提出したら、注文したものと違うとか、イメージと違うとかケチつけられてイラッとしたことがある人も多いと思います。
自分が至らないならそれは自分が成長すべきですが、指示が甘かったり曖昧なことを伝えると、その分だけ情報の解像度が落ち、その影響は成果物にも現れます。
※ちなみに筆者は前働いていた職場で大嫌いだった上司がいるのですが、やったことのない仕事を丸投げされて、終わったと思ったらダメ出しの嵐で「じゃあ先に一部作ってから渡してくれよ…」と心底ウンザリする経験を何度も経験しましたw
なので、納期を守るためには
- いつまでに
- どれくらいのクオリティを出せて
- 潜む危険因子を洗い出し
- リスクが表面化した際のバッファも確保しておく
というプロセスを踏まえ、工数とそれにかかる時間の見積もりを正しく算出する必要があります。
クライアントがどんな成果物を求めていくか
先日、こんなツイートをしました。
これだけでは誤解を生みそうなので補足しようと思います。
まず、ここで言う「早めの納品の方が嬉しいかも」というのは、案件によって変わってきます。
「クライアントの性格による」という意味ではありません。
具体例①YouTuberの編集の場合
もしも編集している案件がYouTuber風の動画で、且つまだクライアントとの折衝の段階にある場合は
言い切ります。これは確実に早めの納品の方が良いです。
よほど発注する側に明確なビジョンと、細かな仕様書・指示書の類がなければ、編集者との意識のすり合わせは確実に時間がかかります。
納期というのは
「成果物を完成品として入稿できる状態で渡す期日」
のことであり、仮の状態で仕上げるものではないはずです。
(この辺も発注者側の認識に齟齬があると後々トラブルになりかねないので、曖昧な場合は確実に確認しましょう)。
となれば、付き合いが浅ければ浅いほど、慣れるまでに時間が必要なはず。
こんな具合で作ってみましたが、いかがでしょうか?
と一度作った成果物を相手方に見せ、指示を仰ぐ方がいいです。
対して、もし納期ギリギリに全く見当違いのものを提出してしまったらどうですか?
顧客の求めているものから全く違う方向に進んでいた自分を呪いたくなりますよね。
でもこれ、進捗報告の段階で細かく確認していけばほぼ確実に防げます。
そしてもし、お互いの仕事ぶりをよく理解して、何度も発注しているのなら、勝手がわかってきて注力すべきポイントを把握しているはずです。
どこでこだわるかもう分かっているなら、納期までにクオリティをガンガン上げて納品する方が、喜ばれるのは間違いないでしょう。
具体例②広告案件の場合
ではもし、広告案件だったら。
これはそもそも、YouTube動画の編集とは根本的に性質が違います。
広告は出稿が一日でも早ければ、その分回すことができるので、クライアントは一日でも早く完成品を手にしたいはずです。
なので先ほどの “決められた期間でクリエイティブさを出す” よりも「担保されたクオリティの次はスピード重視」という傾向にあります。
※商材そのものにクリエイティビティが求められるなら話は別です
つまり、この場合でいう納期は
作業工数にこれくらい必要だと思うので、そこまでに求めるクオリティまで引っ張り上げてください
(早くあがったら、嬉しいな…)
という状況が多いわけです。
実体験:即日納品して案件が増えた話
とは言っても、経験なくこんなことを言われても信憑性に欠けると思うので、実際に経験した話をしていきたいと思います。
僕のチームでは基本的に広告動画の編集を主としていますが、ある日、予定通りのスケジュールで素材の受け渡しがされました。
僕は前もって予定をフルで空けておき
「今の状態で最短効率で作業したらどれくらいで終わるのか?」
を、知りたかったのです。
工程ごとに工数見積もりを出し、時間を計測していき、その日のうちに自分なりの仕上げをして、趣旨も踏まえた上で納品したところ、
めちゃくちゃ喜ばれました。
他の編集者さんは平均早くても3日かかるのに、すごいです!これだけ早く納品できるなら、もう少し多めに発注してもいいですか?
と大変ありがたい話にも繋がりました。
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今回は何度もやりとりしている信用しているクライアントさんだったので、このような方法をとりましたが、
通常はあまりおすすめしません。
なぜなら、自ずとハードルが上がってしまうからです。
早めの納品は、良くも悪くも「この人はこれくらいで作れる」という印象を与えてしまうので、実際は無理をしなければ厳しい場合もありますし、通常であれば即日納品など、他の作業を全てストップして最速で仕上げる場合には別料金を請求した方がいいでしょう。
まとめ
”納期” とひとことに言っても、色々な捉え方があります。
しかも、クライアントによって求めている部分、こだわりのポイントも違うので、状況に合わせて最適化された認識を持ち、他の案件など自分のタスクも踏まえた上で、計画的に予定を組む能力も必要です。
僕はチームでディレクターを担当している分、この辺の日程や工数の調整にはかなり敏感ですが、納期に遅れることは本当に信頼を欠くことになるので、日頃から注意しています。
無理のない量で、徐々に効率を上げながらしっかりスケジュールに遅れない作業をしていきましょう。
それでは!